学校の帰り道、ほの暗い夕闇のなか、風はもう冷たく、指先はすっかりひえている。はく息が白くなるにはもうしばらくかかるだろう、ああ、そうだ、もうすぐ冬がくるのだ。
シンジ、はやく帰ってこいよ。
静かにつぶやいた。もちろん返事なんてなかった。どうして何も言ってくれないのだろう。シンジがいないことに納得したふりをしていまだにシンジが帰ってくるんじゃないかと期待している。すべてが終わったときなにかの奇跡で生き返ったりしないだろうか、だがそんなの無理だって事も知ってる。そんなのぜったい無理だって。泣こうが喚こうが他の誰が死のうがもうシンジは帰ってこない。ああでもそうか、そういえば、そうでした、なんだ、簡単なこと、最初から悲しむ必要なんてないんだ、シンジなんてひともともといなかったんでした。

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